免許の書き換え

イタリア生活

イタリアは行政手続きが複雑で、かなり面倒なイメージがあると思いますが、この度、免許証の書き換えを行いました。つまり、日本の免許証と引き換えにイタリアの免許証(仮)を手にしました。備忘録として記録します。

イタリアの交通事情について

日本では、電車の方が正確で、車だと渋滞があるので時間が予測できない、というマインドセットを私は持っていましたが、イタリアではその逆です。

イタリアでは電車が1時間に1本だったり、大幅に遅れたり運休になったりします。もちろんストライキだってあります。バスもしかりで、下手したら来ないことだってあります。

辺鄙な場所に行くこともあり、時間通りにつかないといけない場合はストレスになるので、車中心の社会であることには納得できます。

イタリアは、他のヨーロッパ諸国と同様、運転席が左側で、車は右側通行です。

また、最近はハイブリッドのオートマ車なども見られるようになりましたが、今でもマニュアル車が一般的だと思います。

ちなみに私は日本で大学生時代にオートマ限定の運転免許を取得しました。

車には結構乗る方で、日本では仕事で使うこともあったのですが、イタリアでは免許を持っておらず、第一左右逆ということに加えてAT・MTの問題もあるので、運転をしたことがありませんでした。

特にコロナ禍、車を使えないことで不便さを感じることが多かったので、大学院の授業が終了して卒業までの時間がある間に免許の書き換え手続きを行うことにしました。

国際免許と免許の書き換え

国際免許だと、オートマ限定か否かは不問だそうで、マニュアル車を運転しても良いと聞いたことがあったため、まずは夕方誰もいないスーパーの駐車場でマニュアル車の運転を練習しました。

でも、オートマ限定で取った私には発進時のエンストがどうしても超えられない壁でした。

マニュアル車の仕組みを理解して、日本語で丁寧に説明を受けたいという思いがあり、夏に帰国した際に教習所でAT限定解除講習を受け、AT解除してから国際免許を取得しました。

国際免許は日本の運転免許センターで、3,000円位で簡単に手続きできました。しかし、いざイタリアへ帰って確認すると、国際免許で運転できるのは、“住民登録してから1年以内”に限るとのこと…事前の下調べ不足でした。

一方、免許の書き換えができるのは、“住民登録してから4年以内まで”とのことで、私は微妙なところでしたが、こっちに来てすぐの頃に“住民登録をするものだ”というのを知らなくて住民登録をしていなかったので、なんとかいけそうでした。

書き換えの方法と手順

書き換えに際して、私は以下の2つの方法を検討しました。

①自動車学校(Autoscuola)

②各県の陸軍局(Ufficio Motorizzazione Civile) *免許センターのようなところです。

①の方が、公式な目の医師の診断書なども手配してくれるので楽だけれど、②の方が安価ということで、私は②の方にしました。

手続きでの注意点として、私の県では支払いの際にどうしても「SPID」が必要で、その手続きのためにはまず「Carta di Identità」が必要でした。

その後のおおまかな流れとしては、ざっと以下のような形でした。

①領事館に問い合わせて情報収集。

②陸軍局に電話して必要書類を聞く(各県によって異なるようです)。

③市役所でCertificato storico di residenza(住民票の記録証明)をもらう。

④日本の免許証の翻訳をミラノ領事館にお願いする(頼めば当日発行をお願いできます)。

⑤④を持って県庁に行きLegalizzazione(認証)をしてもらう。

⑥Medico di base(主治医)に書類をもらいに行く。

⑦⑥の書類(3ヶ月有効)持っての目の医師のところに行く。

⑧証明写真を撮る。滞在許可証のコピーを撮る。

⑨全ての書類を持って陸軍局へ。

(*これらの手続きには事前予約が必要です。③、⑥、⑨の支払いにはSPIDが必要でした。)

今、⑨が終わったところです。6ヶ月以内に正式なイタリアの運転免許証が届くそうですが、今はコロナで手続きが半年分位遅れているからもっと遅れると思うという旨、受取の際に窓口で言われました。

⑨の帰り道、運転しても良かったのですが、そんな度胸はとてもなく…。結局何回か教習に通って練習してから実地デビューすることになりました。長い道のりです笑。