イタリア語のアクセントと国歌

イタリア生活

オペラ指揮を得意とする同僚にお願いすると、私が30回読んでもまだかみかみのセリフを、初見でスラスラ読んでくれました。「ここのリズムは、“タターン”なんだよ」とか言いながら…。そんなリズム日本語にはないのです。

パルマの音楽院に入った当初、先生に「『AKARI』の名前はどこにアクセントがつくんだい?」と聞かれました。「どこにもないと思います。平たく『あかり』と発音します」と答えたところ、「(アクセントが)ない訳はない。教えてくれ、日本語のように発音したいんだ」と言われました。「いや、『日本語のように』だと、ないと思うんですが…」。「言ってみて」「“あかり”です。」「う〜ん…(わからない)。じゃぁ『A』なのか『KA』なのか決めて、そっちで呼ぶから」「わかりました。では、前者で」

このやりとりの上、「A」にアクセントをつけて呼ばれるようになりました。フィンランドでは、第一音節にアクセントが付くので、「私はSakariではなくてAkariです」などと自己紹介して名前を覚えてもらっていました。なので、フィンランドだったら「Akari」と言われても不自然ではないのかもしれませんが、イタリアで「Akari」と言われると、結構違和感があることに後になって気が付きました。「aKKari」と呼び慣れてしまいました。(ちなみに「ヤマジシ」とも名乗り慣れています)

ここで日本の国歌とイタリアの国歌とを比較してみます。出だし2小節でこの超越、そして“タターン”の連続です。

日本は見てください、「レドレミソミレ・」です。なんとなだらかなのでしょうか!!

↑イタリア国歌冒頭
↑日本の国歌冒頭

阿部寛主演、ヤマザキマリ原作の映画「テルマエ・ロマエ」では古代イタリア人が初めて見た日本人のことを「平たい顔族」と表現していますが、まさに。“和”の国日本は顔だけでなく、言葉だって平たいんです。