メロディー in ビオラ

音楽生活

ビオラを結婚式で弾いたことはある。

日本でもフィンランドでもあったけど、いずれも友達の結婚式だった。

お仕事として弾くのはピアノ、あるいはオルガンだった。

歌い手さんから「タイミングを見て抜けるので、あとはピアニストさんの方でなんとかしてください」とは言われたものだった。

今回ビオラで、歌い手さんとオルガニストさんと結婚式のお仕事を頂いた。

フィンランドで20代中頃に始めたビオラ。

指揮科専属オーケストラのコンミスを務められていた先生に教えを受けた。

まずは現地語で数を覚えること、ボーイングと入りだけは前の人に合わせること、汚い音は出さないこと。それだけ守るようにということで、

荒療治だが、習った当初から「これが一番上達への近道だから」とアマチュアオーケストラを紹介して頂いた。

おかげで、その後日本でもイタリアでも、ビオラは私の世界を大きく広げてくれた。

室内楽も色々と携わらせて頂いた。大抵は刻みと内声。たまに出てくる8小節のメロディーとかだけは指遣いをじっくり考えてさらった。

今回の結婚式では、ビオラなのにメロディーを担当させてもらうことが多々あった。

お馴染み「カノン」はD durのイメージがあるのだが、それはおそらくピアノやバイオリンでのイメージで、

ビオラでいざ弾こうとすると、「全部A線(一番高い弦)でハイポジ!? 」

低めで弾こうとすると、「これ、低すぎないか…?」

そういうことで結局、オルガニストさんにお願いをして弾きやすいG durにしてもらった。

その他には、C durで用意していた曲が歌い手さんの楽譜ではF durだったと発覚する。

その場で移調できるかなとも思ったけれど、運指がバイオリンとごっちゃになったり、

高めか低めの二択しかなくておかしなことになっちゃうな、と思ったりで秒でパスさせてもらった。

教会での声ってすごい。華やかなソプラノさんの声に思わず見惚れてしまったのは私だけではないだろう。

そして、教会ミサの進行を熟知しているオルガニストさんには本当に助けられた。

まさに、「オルガニストさんがなんとかしてくれるから」というものだ。

オーケストレーションの授業では、「この音域はこの楽器には向かない」といった指摘をよく受ける。

今回それを痛感した。ビオラはビオラであり、バイオリンではない…。

「あなたは性格的にも体格的にも、ビオラよ。」

そうおっしゃったバイオリンの先生を思い出す。